アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う病気です。良くなったり(寛解)悪くなったり(増悪)を繰り返す、かゆみのある湿疹を特徴とする皮膚疾患です。多くの患者さんは皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)とアトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)をもっています。症状が慢性化することが特徴です。一般的に、6カ月以上(乳幼児では2カ月以上)続くと慢性と判断します。

 

| アトピー素因とは?

 

遺伝的なアレルギー体質を指します。血縁者に アトピー性皮膚炎・気管支喘息・花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー結膜炎・食物アレルギーなど の人がいる場合に体質を受け継いでアレルギーを起こしやすくなります。また実際にご本人がそのような疾病を患ったことがある場合も、アレルギーを起こしやすい体質と考えられます。このような体質のことをアトピー素因と呼びます。主に小児期に発症し、成人では軽快することが多いのですが、成人になって再発したり、重症になることもあります。

 

| アトピー性皮膚炎が起こるメカニズム

 

皮膚は、表面の皮脂膜やその下の角質細胞、角質細胞間脂質などがバリアの役割を担っており、外からの物質の侵入や水分の蒸発による皮膚の乾燥を防いでいます。アトピー性皮膚炎では、これらの 皮膚のバリア機能 が弱まっているため、外からの異物が容易に皮膚の中まで入りこみやすい状態になっています。健常な皮膚に比べ、数百倍の分子量のアレルギーの原因物質(アレルゲン)が侵入可能となります。皮膚のバリア機能は体質もありますが、皮膚を引っかいたりこすったりといった物理的な刺激・汗・石鹸・化粧品・紫外線などによっても低下します。

 

| 皮膚を守るバリアーファクター

 

天然保湿因子

角質層にある低分子のアミノ酸や塩類など。ナチュラル モイスチャーライジング ファクター(NMF)ともいわれ、水分をつかまえて離さない性質があります。

 

皮脂と皮脂膜

皮脂腺から分泌される脂のことです。汗と混じりあって皮膚の表面をおおい(皮脂膜)、水分の蒸発を防ぎます。

 

角質細胞間脂質

表皮で作られ、角質細胞と角質細胞のすき間をうめている脂のことでセラミドもその一種。角質細胞同士をくっつける接着剤の役割とともに、水分をサンドイッチ状にはさみ込み逃がさないようにする。アトピー性皮膚炎では特に角質細胞間脂質が減り皮膚が乾燥します。乾燥肌を放置すると湿疹やかゆみが更に悪化します。

 

| アトピー性皮膚炎の経過と患者数

 

アトピー性皮膚炎は、かつては乳幼児期特有の病気で

 

  • 2歳で50%の患者様が治癒
  • 10歳で75%の患者様が治癒
  • 18〜20歳でほとんどの患者様が治癒

 

が定説でしたが、最近は環境的因子など複雑に関連し、実際はその年齢になっても治らない患者さんや、一度治っても成人してから再発する患者さんもいます。現在、20歳以下のおよそ10人に1人がアトピー性皮膚炎であると推測されています。

 

| アトピー性皮膚炎の歴史

 

アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)のアトピーという名前は <場所が不特定> という意味のギリシャ語 <アトポス> (atopos - a=不特定、topos=場所)から由来し、1923年コカ (Arthur F. Coca) とクック (Robert A. Cooke) という学者が <遺伝的素因を持った人に現れる即時型アレルギーに基づく病気> に対して名づけたのが始まりです。
 アトピー性皮膚炎という言葉が医学用語として登場するのは、1933年です。アメリカ人のザルツバーガー皮膚科医が、皮膚炎と結びつけて アトピー性皮膚炎 (atopic dermatitis) という病名を初めて使用しました。医学用語としては気管支喘息・鼻炎などの他のアレルギー疾患にも冠されるが、日本においては慣用的にアトピーのみで皮膚炎のことを指すことが多いです。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリアー機能の低下によりアレルゲン(アレルギーの原因物質)が侵入しやすくなります。表皮、なかでも角層の異常に起因する皮膚の乾燥とバリアー機能異常という皮膚の生理学的異常を伴います。また環境中のダニや食べ物などの成分がアレルゲンとなり、それらに対する免疫グロブリンE(IgE)抗体がつくられて、皮膚にアレルギー性の炎症を起こします。この免疫反応が過剰に働き炎症が起きてしまうことが病気の根本にあります。免疫が過剰に反応する理由としては、もともとのアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)や皮膚のバリア機能低下も大きく関係します。

 

アトピー性皮膚炎の主な原因として次のようなファクターが考えられます。

 

皮膚のバリアー機能の低下

皮膚の最上層である角層かくそう内の天然保湿因子やの細胞間物質(セラミドなど)の異常などにより皮膚のバリア機能が損なわれ、冬の乾燥や夏の発汗、衣類などの刺激に対して皮膚が弱く、炎症を起こしやすい状態になります。

皮膚が乾燥しやすい素因   ドライスキンによる悪循環
健康な皮膚では、皮膚の表面の角質層に十分な量の保湿成分や油分(アミノ酸やセラミドなど)を持っていて皮膚のバリアができ、体内の水分が出ていったり、外からさまざまな物質が侵入するのを防いでいます。一方、アトピー性皮膚炎の人の肌は、保湿成分やセラミドが少なく、乾燥肌(ドライスキン)の状態にあることが分かっています。バリア機能が弱くなっているので、アレルギーの原因となる異物(アレルゲン)や微生物が侵入しやすく、また汗などの刺激に弱くなります。アトピー性皮膚炎の人が薬や化粧品、金属などにかぶれやすいのも、このためです。少しの刺激でかゆみが出るので、そこを掻いてしまい、掻くことでバリア機能がさらに破壊され、刺激物がますます侵入しやすくなり、炎症を起こしてさらにかゆみがひどくなる、という悪循環に陥りやすいのです。

 

アトピー素因

アレルギーを起こしやすい体質が家族や自分にあればアトピー素因があるといいます。人の体には体の中に入った特定の異物を除く、免疫という仕組みがあります。これは異物(抗原・アレルゲン)に対して反応する抗体(免疫グロブリンE・IgE)を作って、体から除く仕組みですが、この免疫が異常に強く起こることをアレルギー反応といいます。

 

アトピー素因

  • 家族歴・既往歴(気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎・アトピー性皮膚炎など)
  • IgE抗体を産生しやすい素因

 

遺伝的要因

遺伝子の解析により、マスト細胞・好酸球にIgE抗体を結合させるレセプターや、サイトカインのうちアレルギーの炎症に関与するものの遺伝子が集中している遺伝子座がアレルギーと関連していることが明らかになっています。

 

栄養要因

アトピー性皮膚炎の小児の患者様では、卵・牛乳・小麦・大豆などの食物が原因として多くみられます。3歳以降は食物の影響は低下してきます。また必須脂肪酸の過剰摂取の可能性も示唆されています。

食用油としての必須脂肪酸  代謝経路とエイコサノイドの形成
必須脂肪酸であるω-6脂肪酸であるリノール酸から体内でアラキドン酸が生成し、この物質から炎症・アレルギー反応と関連した強い生理活性物質であるω-6プロスタグランジン、n-6ロイコトリエン等のオータコイド類が生成されます。高リノール酸食用油やそれを素材とする食品が、アレルギー反応と深く関わっていると指摘されています。アトピー性皮膚炎患者に対してω-6脂肪酸(主としてリノール酸)の含有量の低い食事を与えたところアトピーに改善効果が認められた報告もあります。

 

環境要因

過剰なアレルゲンや化学物質に暴露するとアトピー皮膚炎の症状悪化につながります。

  • ダ ニ
  • カ ビ
  • ほこり(ハウスダスト)
  • ペット(イヌ、ネコなど)のフケや毛、
  • 真 菌
  • 化学物質(石鹸、化粧品、金属、消毒薬など)
  • 紫外線

 

繰り返し掻くことによる刺激・汗の刺激・乾燥・皮膚の汚れ・化学物質の刺激・ストレス・疲労などの肉体的・心理的な原因などが、アトピー性皮膚炎の発病や悪化に関係しています。一般的にアトピー性皮膚炎では下記の生活指導が有用です。

  • 入浴、シャワーにより皮膚を清潔に保つ。
  • ナイロンタオルを中止する。
  • 室内を清潔に保ち、適温・適湿の環境を作る。
  • 規則正しい生活を送る。
  • 刺激の少ない衣服を着用する。(物理的刺激の場合)
  • 換気に気を付ける。(揮発性有機化学物質などの化学的刺激の場合)
  • 爪は短く切り、掻破による皮膚障害を避ける。
  • 顔面の症状が高度な例では眼科医の診察を定期的に受ける。眼囲の皮疹を掻破、叩打することによって眼病変(網膜裂孔、網膜剥離)を生じうることに留意する。
  • 細菌・真菌・ウイルス性皮膚感染症を生じるリスク因子が高い場合もあり、皮膚をよい状態に保つよう留意する。

炎症を起こした皮膚の表面には細菌が増殖しやすく、さらに悪化させる要因になります。

アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎でみられる主な皮膚の状態には、次のようなものがあります

  • 乾 燥  かさかさと皮膚の水分が少ない乾燥した状態
  • 鱗 屑  フケのようなかさかさしたものが落ちる
  • 紅 斑  赤い腫れ
  • 丘 疹  ぶつぶつした小さなドームの形の盛り上がり
  • 痒 疹  大きめのごつごつしたしこり。強いかゆみを伴う
  • 痂 疲  掻き壊したあとにできる、かさぶた
  • 水 疱  みずぶくれ
  • びらん  皮膚の浅い部分がはがれて、じくじくとただれた状態
  • 苔癬化  掻き壊しを繰り返し皮膚が厚く硬くなってしまった状態

アトピー性皮膚炎の症状の特徴

  • 左右対称にできることが多い
  • おでこ・目の回り・口の回り・耳の回り・首・腋窩・手足の関節内側に好発

 

|症状の現れ方  年齢による症状の違い

 

アトピー性皮膚炎は、年齢によって皮膚の症状が変化するのが特徴です。児童期が湿潤型、思春期以降は乾燥型の皮膚炎を起こします。

乳児期   滲出液の多い紅斑・丘疹が顔面や体幹・四肢

 

幼小児期  首や四肢の関節部などに乾燥性の病変・苔癬化

 

思春期・成人  皮膚乾燥化の進行

  • 全身・顔面・首・胸背部などに紅斑や丘疹
  • ざらざらした黒ずんだ乾燥肌(アトピー皮膚)
  • かゆみが強いために掻破そうはによる傷(かき傷)
  • 眉毛の外側が薄くなる(ヘルトゲ兆候)
  • 発赤した皮膚をなぞると、しばらくしてなぞったあとが白くなる(白色皮膚描記)
  • 乾燥して表面が白い粉を吹いたようになり、強い痒みを伴う
  • 赤い湿疹、結節などができ、激しい痒みを伴う。痒疹を伴う
  • 湿潤した局面から組織液が浸出
  • 慢性化すると、鳥肌だったようにザラザラしたものができ、皮膚が次第に肥厚
  • しこりのある難治性のイボ状の痒疹ができる。そのままイボになることもある
  • 思春期以降は手指症状が発現しやすい。爪元から第二関節にかけ特に重症化

 

 

 1.乳児期(1歳未満)

 

初めは顔や頭に、その後次第に全身に、じくじくした腫れ(紅斑)やぶつぶつ(丘疹)が現れます。炎症は頭部に始まり、次第に顔面に及びます。そして体幹、手足に下降状に広がる。頭や眉毛には、黄色いかさぶたのような湿疹ができます。これらの症状は、アトピー性皮膚炎でない乳児にも見られるもので、自然に治ることも多いため、すぐにアトピー性皮膚炎と診断することはできません。乳児湿疹と混同される場合もあります。症状が2ヶ月以上続いた場合に、アトピー性皮膚炎の可能性が出てくるのです。この時期、赤ちゃんは新しい食べ物を口にし始めるため、そのたびにさまざまな症状が出ることがありますが、慣れるにしたがって体がその食べ物を受け入れるように成長していきます。あまり神経質にならないことが大切です。

 

 

 2.幼児・小児期(1歳〜15歳)

 

この時期になって初めて、アトピー性皮膚炎の症状がはっきりしてきます。乳児期はじくじくした発疹でしたが、この時期には皮膚が全体に乾燥し、かさかさしてきます。ひじや膝の裏などの関節の内側には、あせものような発疹やじくじくした発疹がみられ、ごわごわした皮膚(苔癬化)になることも多くあります。耳介の下部が裂けるような症状(耳切れ)を呈します。首にもよくみられます。またこの時期には、さまざまな合併症を起こしやすくなります。

 

 

 3.青年期・成人期(16歳〜)

 

皮膚の乾燥やごわごわ(苔癬化)はさらに進み、思春期以後は、広範囲にわたり乾いた慢性湿疹の症状を呈します。主に首周りや肘膝関節裏、乾燥型は頭皮、額、肩、内腿、内腕に発症し易いのが特徴です。乾燥型に切り替わるとき、湿潤型の症状は軽快する傾向があります。特に上半身にその症状が多くあらわれます。手足の外側にごつごつ(痒疹)ができることがあります。顔の赤みがとれなくなったり、ぶつぶつ(丘疹)に混じってじくじく(びらん)ができることもあります。炎症をくり返すために、首などにはさざなみ状の色素沈着が起こります。この時期掻くことが習慣になってしまう人が多く、幼児・小児期から続いた <掻く→炎症増悪→掻く>という悪循環が日常的なものとなります。思春期以降は、頭皮に大量のフケが出るケースが多く合併症の中では特に、単純ヘルペス感染症や目の合併症などが起こりやすくなります。

 

|アトピー性皮膚炎の主な合併症

 

 

  1.皮膚疾患    皮膚感染症

 

アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、バリア機能が低下していることや、掻き壊したひっかき傷があることから、細菌やウイルスに感染しやすくなっています。どれも健常者でも認められる感染症ですが、アトピー性皮膚炎の患者様では罹患率が高く、重症化しやすいです。

 

伝染性膿痂疹(とびひ)

 

伝染性膿痂疹は重度の湿疹病変から進入した黄色ブドウ球菌や溶血レンサ球菌などの細菌に感染して起こります。特に幼児に好発します。傷の部分に薄い水ぶくれ(水疱)やかさぶたができ、それが周囲にどんどん広がっていきます。細菌に効果のある抗菌薬の内服・外用で治療します。

 

伝染性軟属腫(水イボ)

 

ポックスウイルス科の伝染性軟属腫ウイルス感染で発症します。湿疹病変や乾燥した皮膚に合併しやすく、アトピー性皮膚炎の患者様では広範に拡大し難治化しやすいです。プールや風呂のような水が媒体となり肌と肌が触れる機会の多い場所で感染します。イボを掻き破ってウイルスが他の部分につくと、そこに新しいイボができ、イボが増えていきます。ふつうは子どもの病気で小学校1〜2年くらいからは少なくなります。兄弟で感染しやすく、他の子どもにも感染しやすい病気です。軟膏を塗ったりピンセットで取ったり、凍らせて処理する治療もあります。

 

単純ヘルペス感染症(カポジ水痘様発疹症・疱疹性湿疹)

 

アトピー性皮膚炎患者が単純ヘルペスを罹患すると重症化します。単純ヘルペスウイルスとが、アトピー性皮膚炎の患部に感染して、小さい水疱がたくさんできます。免疫力の低下時に更に発症・増悪しやすいです。

カポジ水痘様発疹症(疱疹性湿疹)
アトピー性皮膚炎に単純ヘルペスが感染すると顔面や上半身などに小水疱(直径が数mmの水ぶくれ)が多発し、ぴりぴりした痛みを伴います。カポジ水痘様発疹症と呼ばれ、感染が広範囲に及ぶと発熱や全身倦怠感を伴います。抗ウイルス薬で治療します。免疫力を回復させるため、十分に休養することも必要です。

 

接触性皮膚炎

 

アトピー性皮膚炎体質の人は一般に皮膚が弱く、幼児期におむつかぶれを起こしやすかったり、各種の化粧品、塗り薬、洗剤などによる接触性皮膚炎を起こしやすいことが知られています。

 

結節性痒疹

 

アレルギー反応が強い箇所を中心に、結節を伴う痒疹(結節性痒疹)を生じることがあります。慢性化、難治化することもあります。

 

円形脱毛症

 

頭皮のアトピー性皮膚炎が重症化した部分では円形脱毛症の合併も知られています。

 

 

  2.眼科疾患

 

 

激しいかゆみのために顔を強く叩いたりこすったりすると、眼の病気になります。眼のまわりの症状が強い場合には、アトピー性白内障や網膜剥離を起こすことがあります。顔の炎症がひどい人によくみられる合併症なので、定期的に眼科医の診察も受けることをおすすめします。

 

白内障

 

眼のレンズである水晶体が白く濁る病気で、目がかすむ、見るものがぼやけたり二重三重に見える、まぶしく感じるなどの症状が現れます。手術で治療します。水晶体が皮質からではなく核から濁ってゆくのが老人性白内障との違いです。

 

アトピー性白内障の原因・仮説

  • 顔やまぶたの痒みから強く擦ったり叩いたりする物理的刺激
  • 水晶体は発生学的に皮膚細胞と同じなためアトピー性皮膚炎と同様な病態

 

網膜剥離

 

網膜がはがれる病気です。視野の中に見えないところがある、見たいものがはっきり見えない、蚊が飛んでいるように見えるなどの症状があります。放っておくと失明につながることもあります。手術で治療します。網膜剥離に関しては、特に顔面の症状がひどい時に掻破、顔を叩いてかゆみを紛らわせる行動などの物理的な刺激の連続により発生すると考えられています。

アトピー性皮膚炎の検査

| アトピー性皮膚炎の診断

 

日本皮膚科学会の診断基準は、次の3つ全てに該当するものをアトピー性皮膚炎と診断します。

 

かゆみ ・ 特徴的な皮疹とその分布 ・ 慢性・反復性の経過

 

| アトピー性皮膚炎の検査

 

アトピー性皮膚炎の発病や悪化の原因の一つに、アトピー素因をもった方に皮膚の炎症を起こさせる原因物質(アレルゲンを含む)がありますが、それらを見つけるために血液検査や皮膚検査などの検査を行うことがあります。

 

血液検査

アトピー性皮膚炎の患者様の血液検査では次のような検査項目と結果が予想されます。

  • 各々のアレルゲンに反応する免疫グロブリンE(特異的IgE)抗体の上昇
  • 血液中の総IgE抗体量(非特異的IgE)の上昇
  • 白血球の分画内における好酸球の割合の増加

アトピー性皮膚炎の約20%はIgEが上昇しないアトピー性皮膚炎として存在します。

 

TARC (Thymus and Activation-Regulated Chemokine)

TARCとは血清で測定するケモカインの一つです。重症度に比例して上昇します。

 

VAS (Visual Analog Scale)

主観的な掻痒(かむみ)の程度の指標です。100%が最も痒みが強い時、0%がまったく痒みがない時として、そのパーセンテージをみる。主観に頼るため一般的な指標になりにくいですが痒みの改善度をみるのには非常に有用です。また掻痒だけでなく、掻痒によって生じる睡眠障害の程度もこの指標が利用されます。

 

SCORAD (SCORing Atopic Dermatitis)

発疹の範囲・紅斑・苔癬化などの発疹の多様性、VAS(掻痒・睡眠障害)を数値化し点数にし、重症度を評価します。合計108点満点です。現在アメリカ等で普及しています。

アトピー性皮膚炎の治療

|アトピー性皮膚炎の治療の目的

 

治療で目指す最終的なゴールは

  • アトピー性皮膚炎であることをあまり意識しないで日常生活を送ることができる
  • 周囲の人からアトピー性皮膚炎であることがわからないくらいにまで症状を改善する
  • 改善した状態を維持する

ステロイドや免疫抑制剤の外用薬を適切に使用しスキンケアを行えば目標に近づくことができます。アトピー性皮膚炎は決して治らない病気ではありません。症状のコントロールで、ある程度のレベルまで治療が期待できる病気です。そのためにも、きちんと治療を続けましょう。

 

|アトピー性皮膚炎の治療治療の方法

 

アトピー性皮膚炎の症状と治療の考え方

 

アトピー性皮膚炎は、皮膚の症状で 軽微・軽症・中等症・重症 の4段階に分けられ、それぞれの段階で治療法が変わります。症状が改善したら一段階軽いステージの治療に変更します。逆に悪化した場合は治療を一段階悪いステージのものに変更します。これを繰り返して症状を安定させます。最終的には保湿剤だけで日常生活に支障がない程度まで安定させることを目標にします。自身の重症度を知って、患者様自身に合った対処法を見つけてください。

  • 軽微(ステージ1) 主に乾燥肌 腫脹や湿潤はない  
  • 軽症(ステージ2) 乾燥・発赤・皮膚のささくれ・白い粉・落屑
  • 中等症(ステージ3) 上記症状の重症化 腫脹部分の硬結・掻把痕残る
  • 重症(ステージ4) 乾燥・腫脹・発赤・隆起  皮膚の落屑皮が更に重症化

 

一般的にアトピー性皮膚炎の治療には次のような方法があります。

 

薬物療法(外用・内服) ・ スキンケア ・ 生活環境の整備

 

1. 薬物療法 (外用 ・ 内服)

アトピー性皮膚炎の治療において、最も大切なのは薬剤の治療です。適切に正しく薬を使うことで、症状を早く改善して、良い状態を維持することができます。

 

 

 外用薬(ステロイド ・ 免疫抑制剤 ・ 保湿剤)

 

現在、アトピー性皮膚炎治療の外用薬としては、ステロイドと免疫抑制剤があります。この2種は、効果や安全性が科学的に評価されており、日本皮膚科学会の発行する<アトピー性皮膚炎診療ガイドライン>でも基本外用薬として推奨されています

 

1.ステロイド外用薬

 

腎臓の上部に位置する副腎は各種ホルモンを分泌します。その副腎皮質から分泌されるホルモンが、<副腎皮質ステロイドホルモン> です。これは血液に乗り体内を循環しながら様々な働きをしています。

副腎皮質ホルモンの働き   炎症・免疫反応の抑制

  • 免疫やアレルギーに関係する細胞の働きを抑える
  • 炎症を起こす物質の生成を抑える

 

ステロイドの塗り薬は、この副腎皮質ステロイドホルモンの化学構造をもとに作られた薬です。炎症を強く抑える作用をもっています。ステロイド薬には内服と外用がありますが、アトピー性皮膚炎の治療で使われるのは、ほとんどが外用薬です。患部にだけ働くので内服薬よりも副作用が少ないという利点があります。

 

ステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン剤)のグレード分類

 

外用剤は一般的には5つのランクに分類され症状の度合い・炎症の発生部位によって使い分けます。それぞれの皮膚の症状の種類や重症度、炎症が起きている場所、患者さんの年齢などを考えた上で、適切なランクの薬が選択されます。例えば顔面は吸収が良いので原則として <弱め(ミディアム)> クラス以下を使用することになっています。必要な量を必要な期間、必要な部位に使い続けることが大切です。

  • Strongest (最も強い)
  • Very Strong (かなり強い)
  • Strong (やや強い)
  • Medium (普通)
  • Weak  (弱い)

 

ステロイド外用薬の症状と使用法

ステロイド外用薬は炎症を抑える強さから 5段階
(ストロンゲスト⇒ベリーストロング⇒ストロング⇒ミディアム(マイルド)⇒ウィーク) 
に分類されます。症状が重いほど強いステロイド外用薬を使います。

 

ステロイド外用薬の選択(成人の場合)

  • 重 症  ベリーストロングまたはストロング(効果不十分の時ストロンゲスト)
  • 中等症  ストロングまたはミディアム
  • 軽 症  ミディアム以下
  • 軽 微  ステロイドを含まない外用薬を選択
  • 小 児  原則として1ランク低いステロイド外用薬を使用

 

ステロイド外用薬を使うときの注意点

  • 体の部位によって吸収率が異なる
  • 適切な部位に適切な量を使用
  • 決められた量をしっかりと塗る

 

副作用を心配して自己判断で塗る量を控えたり、使用期間を短くすると、かえって症状を長引かせたり悪化させたりすることがあります。また、長期に使用した後に突然やめると急に悪化することもあるので、その使い方、特に使用の中止や薬の変更については、必ず医師の指示に従ってください。

 

ステロイド外用薬の副作用

内服薬と異なりステロイド外用薬の場合は塗った場所だけに作用するので、副作用は最小限に留まります。一時的な副作用が起きてもずっと継続続する可能性は低いと考えられます。

 

ステロイド外用薬の副作用

  • 皮膚萎縮 ステロイド剤の長期継続使用で皮膚が薄く・弱くなる
  • 皮膚感染症の誘発 皮膚の免疫反応抑制のため逆に細菌感染が起こりやすい
  • 毛細血管拡張 ステロイドが皮膚・皮下の血管を拡張させ血管が網の目状に見える

 

ステロイド外用薬は必ず医師の指示通りに使用し、皮膚に何か気になる症状が現れたら、早めに医師に相談してください。

ステロイド外用剤の使用法 適切な種類・適切な量 フィンガーチップユニット
外用剤の量の目安としてフィンガーチップユニット(Finger Tip Unit FTU)を使用

 

1 FTU = 約0.5g(チューブの穴の直径が5mm程度の場合) 

  • 軟  膏   大人の人差し指の一番先から第1関節に乗る量
  • ローション  1円玉の大きさ

大人の手のひら約2枚分の面積に塗布可能(体表面積の約2%)

適量を、患部全体を覆うように塗り拡げます。塗布後にラップや市販の亜鉛華軟膏を塗ったリント布で患部を覆う治療方法もあります。

 

ステロイド外用薬の塗布部位・年齢・量の関係 (FTU)

 

小  児  顔・首  両腕  両足  胴体(前面)  胴体(背面) 全身
3〜6ヶ月 1(0.5g)  2(1g)  3(1.5g) 1(0.5g)  1.5(0.75g) 8.5(4.25g)
1〜2歳 1.5(0.75g) 3(1.5g) 4(2g) 2(1g) 3(1.5g) 13.5(6.75g)
3〜5歳 1.5(0.75g) 4(2g) 6(3g) 3(1.5g) 3.5(1.75g) 18(9g)
6〜10歳 2(1g) 5(2.5g) 9(4.5g) 3.5(1.75g) 5(2.5g) 24.5(12.25g)

 

成  人  顔・首  両腕   両足  胴体(前面)  胴体(背面)  全身
     2.5(1.25g) 8(4g) 16(8g) 7(3.5g) 7(3.5g) 40.5(20.25g)

ステロイド外用剤によるプロアクティブ(Proactive)療法
アトピー性皮膚炎が寛解しても週に1〜2回ステロイド外用を塗布することにより症状の増悪を予防する治療法です。再発を予防する目的で各国で行われています。TARC試験と合わせたアトピー性皮膚炎の皮膚症状のコントロールの方法として注目されています。

 

2.免疫抑制剤

 

免疫抑制外用薬はステロイドと作用機序の異なる抗炎症薬です。免疫抑制外用薬は、過剰な免疫反応を特異的に抑えるため、皮膚を傷める可能性がほとんどないことが特徴です。アトピー性皮膚炎特有のかゆみを抑える効果もあることから、長期のコントロールに適しています。薬を使用し始めた頃に塗った場所に灼熱感、刺激感が出ることがありますが、多くは皮膚の状態が良くなるとともに数日間で消失します。

 

免疫抑制外用薬の特徴

  • アトピー性皮膚炎でみられる皮膚の炎症(湿疹)を改善
  • 炎症を抑える強さは、ミディアム〜ストロングクラスのステロイド外用薬と同程度
  • ステロイド外用薬の副作用(皮膚萎縮や毛細血管拡張)はほとんどなし
  • ステロイドの副作用が出やすい部位(皮膚の薄い顔・首・肘の内側など)に使われる
  • 炎症部位にはよく吸収されるが健康な皮膚では吸収されにくい(有効成分の粒が大きいため)
  • 皮膚が厚い部分(手掌・足底)では吸収されずらく効果が出にくい(有効成分の粒が大きいため)

 

免疫抑制外用薬の適応症例

 

ステロイド外用薬を長期間使い続けることによる副作用が不安

免疫抑制外用薬には皮膚萎縮(皮膚が薄く弱くなること)や毛細血管拡張(血管が網の目状に見えること)の副作用はほとんどありません。

 

皮膚萎縮や毛細血管拡張など副作用が認められた

皮膚萎縮や毛細血管拡張の副作用はほとんどありませんのでステロイド外用薬の副作用が出現した患者様には適しています。

 

他の治療で効果が不十分

ステロイド外用薬・内服治療で効果不十分(湿疹が治らない・かゆみが残る)の場合免疫抑制外用薬を使用します。 他の治療とは作用が異なるので他の治療で効果が出なかった人でも治療効果が現れる可能性があります。

 

ステロイド外用薬である程度炎症が落ち着いている

ステロイド外用薬を長期間使い続けると副作用が不安です。免疫抑制外用薬の副作用は少なく長期コントロールに適しています。

 

顔や首など薬剤の吸収が良い部位に炎症がある

顔・眼輪・首などは皮膚が薄く吸収が良いので皮膚萎縮や毛細血管拡張などの副作用のリスクも大きくなります。副作用を避ける意味から免疫抑制外用薬が適しています。

 

首に色素沈着が認められる

皮膚の炎症が慢性化すると色素沈着により皮膚が黒ずみます。これに対し炎症を抑える薬が必要です。色素沈着の治療には長期間(半年〜数年)を要します。皮膚の萎縮の副作用がほとんどない免疫抑制外用薬が適しています。

 

アトピー性皮膚炎の症状が軽症〜中等症

免疫抑制外用薬がアトピー性皮膚炎の炎症を抑える効果は、ミディアムからストロングクラスのステロイド外用薬とほぼ同じといわれているので、軽症〜中等症の患者さんに特に効果的です。

 

免疫抑制外用薬の種類と強さ

  • 大人用  ステロイドの <強い(Strong)クラス> と同程度
  • 子供用  ステロイドの <弱い(Weak)〜弱め(Medium)>と同程度

 

プロトピック軟膏(タクロリムス外用薬)

プロトピック軟膏とは?
タクロリムスという免疫抑制薬を外用剤として製剤化したものです。濃度は成人用では0.1%、小児用は0.03%で、1993年から治験として使われ始め1999年6月に認可されました。使用開始初期にヒリヒリとした刺激感や火照りを感じる人もいるが、徐々に治まってきます。以下のような特徴があります。

プロトピック軟膏の特徴

  • ステロイドの <強い(Strong)クラス> と同程度
  • 分子量が大きいため正常な皮膚には作用しない
  • 炎症が強く壊れた皮膚にのみ浸透していく性質
  • ステロイドによる副作用が強く現れやすい顔面や頸部に用いる
  • 特にアトピー性皮膚炎で生じる頚部のさざなみ様沈着には効果が高い
  • 妊娠中・授乳中は使用禁止
  • 日本では小児用は2歳以上16歳未満、成人用は16歳以上が適応
  • 外用後の強い日光浴は避ける

 

免疫抑制外用薬と副作用

一般的に免疫抑制外用薬の使用は皮膚癌やリンパ腫の発生リスクを高めるといわれています。しかし最近の知見では、タクロリムス軟膏外用を行ってもがんの自然発生率は超えないとの報告があります。

 

免疫抑制外用薬の使用法

一般的にステロイドの副作用が出やすい部位(皮膚の薄い顔・首・肘の内側など)によく使われます。逆に皮膚の厚い手のひらや足の裏などでは特に吸収されにくく、効果が出にくいです。

 

免疫抑制外用薬の使用上限量(1回につき)

  • 成人(0.1%)  1日1〜2回、1回5gまで
  • 小児(0.03%) 小児用を1日1〜2回、1回5gまで(年齢によって減量)

小児の年齢(体重)別の使用上限量(1回につき)

  • 2歳〜5歳(20kg未満) 1g
  • 6歳〜12歳(20kg以上50kg未満) 2g〜4g
  • 13歳以上(50kg以上) 5g

免疫抑制外用薬をチューブから押し出したとき、0.5gは5cm程度の長さになります。また、1cm分(約0.1g)で10cm四方の面積に塗ることができます。

 

免疫抑制外用薬 塗り方のコツ

手をきれいに洗ってから塗ります。塗り終わった後の指先は拭く、洗うなどして薬剤が残らないようにしましょう。ゴシゴシ強くすりこむと、皮膚を傷つけバリア機能を低下させることになります。やさしく塗り広げましょう。また、皮膚炎のある部位にだけ塗りましょう。
手のひらや足の裏などの皮膚が厚い部位では、入浴直後の皮膚が柔らかくなっている時に塗ると薬の吸収が良くなり、効果的です。ステロイド外用薬や免疫抑制外用薬とともに保湿剤を塗ることで乾燥を防ぎ、皮膚を保護することができます。
皮膚のかさつきを抑える目的で白色ワセリンや尿素などを含んだ保湿剤を、免疫抑制薬の軟膏タクロリムス(プロトピック)も有効ですが、刺激感や感染症などの副作用に注意が必要です。

 

3.保湿剤

 

皮膚の乾燥は症状を悪化し治りずらくさせます。アトピー性皮膚炎の治療は保湿剤で潤いを保つことも大切です。水分やセラミドを補うもの、油分で皮膚を覆って水分の蒸発を防ぐものなど色々なタイプがあります。実際の処方では、ワセリン・プラスチベース等の油性の薬剤や、適度に水分を含んだクリーム状の保湿剤(ヒルドイドソフト軟膏等)がよく処方されるます。医療機関での処方のみならず薬局・薬店で購入できるスキンケア製品でも効果は期待できます。剤形にもクリーム、ローション、軟膏などがあり、保湿効果や使用感が異なります。一方患者様の敏感な皮膚は製品によっては接触性皮膚炎を起こすこともあり、使用感がよく、かぶれを起こさない製品を選択することが重要です。試用して患者様に合う保湿剤を探索するのが良いでしょう。

 

保湿剤の分類

 

保湿剤にはいろいろな種類があるので、医師と相談して症状や好みなどに合わせて選ぶようにしてください。

<使用目的による分類>

 

保湿を目的としたもの

  • ヘパリン類似物質製剤  角層内の水分を引きつけてうるおいを保つ力が強い  ヒアルロン酸製剤・水溶性コラーゲン製剤(市販のみ)
  •  

  • 尿素製剤  角層内の水分を引きつけたり、角層を柔らかくする作用がある。

    傷があるとしみることがあるので注意する

  •  

  • セラミド含有製剤(市販のみ) 角質細胞間脂質であるセラミドを補う
  • 白色ワセリン 油分が皮膚を覆って水分の蒸発を防ぐ

 

皮膚保護を目的としたもの

  • 亜鉛華軟膏   炎症を抑える作用がある。
  • ジメチルイソプロピルアズレン含有軟膏  抗菌効果と炎症抑制作用あり

<薬の形状による分類>

  • 軟 膏 皮膚の刺激が少なく、保護す力も強い。

    ベタついたり塗った場所が照ったりすることがある

  •  

  • クリーム 皮膚を保護力は軟膏とローションの中間。

    軟膏よりベタつかないので露出部にも使いやすい

  •  

  • ローション 塗布後もベタつかず露出部にも使いやすい。

    広範囲にも、頭皮にも塗りやすい

 

4.硫黄液(いおうえき)

 

吹き出ものの治療薬に硫黄液があります。アトピー性皮膚炎の炎症や痒みを抑えることにも効果があります。硫黄液の製造及び使用法は、粉末硫黄(沈降硫黄を薬屋で取り寄せる)を薬瓶の中で水溶液にして(傷薬や美容液を加えても良し)、爪楊枝の柄を使用して患部に塗布します。患部が広範囲の場合には、美容液などの容器を使い掌に付けみましょう。硫黄は角質を軟化させ剥がれやすくします。また皮脂抑制・患部の乾燥効果などがあります。炎症と痒みを抑えて症状を軽減してくれます。また硫黄の黄色が炎症の赤みを隠してくれます。硫黄の黄色みが目立たない様に薄く塗ることがポイントです。擦るのではなく被せる様に塗りましょう。

 

外用薬を併用する場合の注意点
外用薬併用の際には同時に塗らずに間隔を空けて塗ってください。同時に塗る場合は  <塗る面積が広い薬剤から塗る> が原則です。例えば保湿剤と免疫抑制外用薬であれば、まず保湿剤を塗ってから、炎症が起きている部分に免疫抑制外用薬を塗る、という順番になります。なお、医師や薬剤師の指示に従ってください。

 

 

  内服薬(抗アレルギー薬 ・ ステロイド内服薬 ・ 免疫抑制剤 ・ 漢方薬)

 

 

アトピー性皮膚炎では掻くことで皮膚が傷つき症状が悪化します。かゆみ止めとして、また症状の悪化防止のため抗アレルギー薬を使用します。鼻炎・花粉症・じんましんにも使用されます。また従来の治療が奏功しない重症の成人患者様にはステロイド内服薬や免疫抑制剤の内服薬が処方されます。 

 

1.抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬

 

アトピー性皮膚炎の患者様は、<発疹→痒み→掻く→発疹> の悪循環で症状が増悪して行きます。痒みに対し必要に応じて抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を使用します。

  • 抗ヒスタミン薬   かゆみや炎症の原因物質ヒスタミンの働きをブロック
  • 抗アレルギー薬  アレルギーの原因物質(サイトカインなど)の産生を抑制

アトピー性皮膚炎に使われる抗アレルギー薬  IPD
アトピー性皮膚炎ではリンパ球のひとつTh2細胞が活性化し、アレルギー症状を誘発するサイトカイン(IL-4・IL-5)の産生の増加しています。IPD(アイピーディー)は、このTh2細胞の働きを抑える効果があります。

 

抗アレルギー薬の副作用

抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の副作用として眠化があります。服用後に車の運転や勉強・仕事をしなくてはならない場合は注意が必要です。

 

2.ステロイド内服薬

 

抗アレルギー薬の内服やステロイド外用薬で制御できない重症例化は、免疫反応を強力に抑えるためにステロイド内薬を一定期間使うことがあります。この薬剤は、医師に指示された飲み方や量、期間を必ず守る必要があります。自己判断で服用量や服用期間を変更すると副作用や症状の悪化を招くことがあります。

 

ステロイド内服薬の適応

  • 急激に増悪した重症症例
  • 従来の治療で効果が不十分
  • 強い炎症を伴う湿疹が広範囲に存在
  • 16歳以上の患者様

ステロイド内服薬の注意点

  • 最大3カ月まで持続投与可能
  • 一定期間後は休薬する必要あり
  • 副作用 顔面のむくみ・倦怠感・血圧上昇・腎機能低下

 

3.免疫抑制剤内服薬(シクロスポリン内服療法)

免疫抑制剤内服薬による治療(シクロスポリン内服療法)は、アトピー性皮膚炎治療の次なる強力な治療法として日本でも2008年に承認されました(先発品のネオーラルのみ)。シクロスポリン内服療法にあたっては、適応・投与量・使用期間について添付文書やガイドラインに従い処方されます。患者様またはその家族に有効性および危険性をあらかじめよく説明し理解を得た上で投与する必要がありまする。薬物血中濃度測(TDM)が必要となります。

 

3.漢方療法

漢方薬は上記内服薬と併用され補助的に用いられます。アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみの沈静に効果があります。副作用には薬疹・黒褐色皮膚疹・イライラ感・不眠・胃もたれ・便秘などがあります。代表的な漢方薬は補中益気湯です。

 

 

 2.スキンケア

 

 

アトピー性皮膚炎では皮膚の炎症が持続すると続くとかゆみも持続します。更に掻把により炎症が悪化し皮膚バリア機能も更に低下します。これで外からの刺激を更に受けやすくなります。この悪循環をストップするために

  • できるだけ早くしっかりと炎症を抑える
  • 潤いを保つスキンケアを施行
  • 皮膚への刺激を減らす

ことが症状コントロールのポイントとなります。
ステロイドや免疫抑制剤外用薬で炎症が治まった後も、2〜3日おきに塗り薬を使ったり炎症の再発を予防するためにスキンケアを行う必要があります。これはアトピー性皮膚炎の治療の基本で、刺激がなければ全ての時期で行います。入浴やシャワーで皮膚を清潔に保ち、入浴後には保湿薬を塗り、皮膚から洗い流された皮脂膜を補います。

皮膚の清潔について
痒みにより掻把した皮膚には傷ができやすく、バリア機能も低下しています。アトピー性皮膚炎の炎症部位からは、黄色ブドウ球菌 が検出されます。この菌が傷やバリア機能が低下した皮膚から侵入することがあるので、入浴やシャワーなどで洗い流す必要があります。一方炎症の引き金となる刺激物質を洗い流すという目的で皮膚を清潔に保つことは重要です。次のようなポイントがあります。

皮膚の汚れはできるだけ早く落とす

アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下しており、黄色ブドウ球菌などの感染を起こしやすいです。皮膚の汚れはできるだけ早く落とすようにしましょう。

 

洗う時にゴシゴシこすらない

石鹸をよく泡立て、柔らかいタオルや手のひらでなでるように洗いましょう。症状が強い時は石鹸などを使わずお湯をかけて流すだけでもOKです。

 

石鹸やシャンプーの選択

香料や合成添加物が少ないもの、界面活性剤の含有量の少ないものを選びましょう。泡が残らないように十分すすぎ、 刺激を感じる時は使わず、お湯で洗い流すだけでもよいです。

 

熱いお湯はできるだけ避ける

痒みを感じるほど熱いお湯は避けましょう。ぬるま湯の方が皮膚に与える影響は少ないです。

 

入浴剤の選択

入浴後にほてりや刺激を感じさせる入浴剤は避けましょう。

 

入浴できない時のスキンケア

カゼなどで入浴できないときは、軽くシャワーを浴びるか、清潔な濡れタオルで全身を拭き常に皮膚を清潔に保ちましょう。

 

入浴後のスキンケア

入浴で皮膚に入った水分は、10分程度で蒸発します。アトピー性皮膚炎の場合はさらに短時間で蒸発してしまうので、入浴後はできるだけ早く保湿剤を塗ることが重要です。水分を補給する化粧水タイプのローション剤を塗った後に、保護や蒸発を防ぐ保護剤を使うとより効果的です。

 

 

 3.生活環境の整備     悪化要因の除去

 

 

アトピー性皮膚炎は、薬物療法とスキンケアを正しく行うことで症状のコントロールが可能です。症状が改善しない時は、悪化の要因を探し出しそれを除去することが重要です。

アトピー性皮膚炎の主な悪化要因

  • 2歳以下の乳幼児 食物・汗・ダニ・ほこり・細菌・真菌など
  • 2歳以上の場合  ダニ・ほこり・汗・細菌・真菌・ストレスなど

生活環境を整え皮膚を清潔に保ち、極力悪化要因を取り除きましょう。また食物がアレルゲンになっている場合、原因確定には専門的な検査が必要です。医療機関に相談しましょう。

 

室内を清潔に保つ  適温・適湿の環境を作る

掃除や空気清浄器により、ほこり・ダニを極力除去しましょう。じゅうたんやぬいぐるみはできるだけ避け、布団は日に干します。部屋は風通しをよくして、温度と湿度を適度に保つようにしましょう。

 

規則正しい生活を送り暴飲・暴食は避ける

アトピー性皮膚炎の人にとって、生活リズムを整えることはとても大切です。十分な睡眠・規則正しい生活・栄養のバランスの良い食事を心がけましょう。適度な運動も有用ですが、汗をかいたらすぐにシャワーを浴び適切に対処しましょう。

 

刺激の少ない衣服を着る

ウールやアンゴラなど、ちくちく・ゴワゴワする繊維はかゆみを誘発することがあります。特に下着の素材には注意が必要です。新品の肌着は洗濯してから着たり、洗濯洗剤は、できれば界面活性剤の含有量が少ないもの、蛍光剤を含まないものを使いましょう。そしてすすぎを十分に行いましょう。手首・首・わき・ウエスト・足首などは衣類の刺激を受けやすい部位です。特に手触りの柔らかいものを選んでください。

 

爪は短く切る 掻いて皮膚を傷つけないように

爪が伸びていると、掻いた時に皮膚に傷がつき、症状をさらに悪化させるので、短く切っておきましょう。また掻いたあとの爪は、細菌やごみがたまっていますので、よく洗いましょう。

 

ストレス解消に努める

ストレスも症状を悪化させる原因のひとつです。特に成人のアトピー性皮膚炎の患者さんでは、心理的ストレスから「かゆくないのに掻く」のがくせになってしまい、そのために症状が悪化している例がみられます。このような場合は、心理的アプローチを含めた治療が行われることもあります。症状について神経質にならず、気持ちをおおらかに持ちましょう。仕事などのストレスを上手に解消しましょう。

アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す病気なので、症状を上手にコントロールし、日常生活に差し支えない状態を維持することが目標です。医師の指導に従いながら、気長に病気とつきあい、根気よく治療を続けていきましょう。自己判断で休薬すると体が突然の変化に対応できず症状が悪化することもあります。適切な治療の妨げになりますので、必ず主治医に相談しましょう。

田島クリニック

〒231-0023 横浜市中区山下町118-1 エトワール山下1F
TEL 045(264)8332
www.tajimaclinic.yokohama


1F Etoile Yamashita, 118-1 Yamashita -Cho, Naka-ku, Yokohama, 231-0023

English Available ! !

関連ページ

高血圧
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
脂質異常症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
糖尿病
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
高尿酸血症・痛風
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
肝機能障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
腎機能障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
不整脈
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
逆流性食道炎
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
胃炎とヘリコバクターピロリ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
機能性ディスペプシア
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
がん・悪性腫瘍
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
気管支喘息
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
アレルギー
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
花粉症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
甲状腺疾患・ホルモンの病気
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
貧血
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児感染症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児呼吸器疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児消化器疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児皮膚疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児整形外科
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
アトピー性皮膚炎
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
じんま疹
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
痒疹
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
足白癬(水虫)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
爪白癬
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
尋常性疣贅(いぼ)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
うおのめ(鶏眼)・たこ(胼胝)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
骨粗しょう症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
変形性頚椎症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
変形性腰椎症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
変形性膝関節症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
変形性股関節症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
関節リウマチ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
肩関節周囲炎(五十肩)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
頭痛
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
不眠症・睡眠障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
うつ病・不安神経症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
手足のしびれ・つり
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
予防接種・ワクチン
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
検査結果の読み方
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
高血圧
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
脂質代謝異常症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
糖尿病
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
高尿酸血症・痛風
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
肝機能障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
腎機能障害
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
不整脈
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
逆流性食道炎
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
胃炎とヘリコバクターピロリ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
機能性ディスペプシア
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
がん・悪性腫瘍
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
肺がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
胃がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
大腸がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
乳がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
前立腺がん
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
気管支喘息
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
アレルギー
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
花粉症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
甲状腺疾患・ホルモンの病気
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
貧血
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児感染症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
突発性発疹
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
麻疹(はしか)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
風疹(ふうしん)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
水痘(みずぼうそう)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
溶連菌感染症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
ヘルパンギーナ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
手足口病
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
伝染性単核球症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
伝染性紅斑
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
RSウイルス感染症
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
インフルエンザ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児呼吸器疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児消化器疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児皮膚疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
みずいぼ
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
小児整形外科疾患
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
じんま疹 Uriticaria
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
痒疹
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
足白癬(水虫)
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
爪白癬
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック
尋常性疣贅
3度のアメリカ留学・多くの海外経験を持つ院長が横浜で暮らす患者様に贈る総合診療クリニック

診療時間


HOME クリニックについて 診療科と診療時間 院内設備 健康診断・人間ドック 自費診療のご案内